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開発秘話 

EBSの開発は、「こういうものがあったらいいのに」という左官屋さんの発想から始まりました。

従来の左官工法では、石膏ボードなどのジョイント部分に生じるひび割れ、水分の吸い込みの違いによる色ムラの発生など、問題点が多く、何とかしたいと思われている左官屋さんも少なからずいらっしゃいました。私の友人の左官屋さんもその中の一人でした。

そのような左官屋さんが求める理想の塗り壁の下地とはどんなものか、徹底的に話し合った結果、以下のような条件がでてきました。

・平滑で施工性がよい
・吸水が一定でムラがない
・異なる素材の下地にも仕上がりが影響されない

これらのことから、「下地全体を一枚もので覆うシートを作ろう」ということで話がまとまりました。

そこで、製紙会社に声をかけ、シートづくりにご協力いただくこととなり、シートもできうる限り自然のものということで、パルプを主成分として、これに竹の粉を入れてはということになりました。この竹の粉も、奈良の生駒に高山地区というところがあり、茶筅と編み棒の製造で有名なところで、その製造過程で、竹の粉がでて、それを処分しているということでした。そこで、その竹粉末をリサイクルという形で、このシートの材料として、組み入れることにいたしました。

成分が確定し、最初は、手すきで紙シートが造れるかというところから始まり、手すきでOKとなると、次は、テスト機での試作(紙幅が45cmで、実際のEBSの半分の巾しか取れない機械での試作)、ここでは、シートに強度が出るかどうかということを調べるのが主でした。これがOKとなって、初めて実機(92cm巾のシートがとれる)での抄紙となり、2010年の2月にようやく試作品が完成しました。

ここからは、試作品を作っては、引張強度、吸水度などの試験を繰り返し、更に、クロス屋さんには「EBSを貼る」ということでのテストをしてもらい、左官屋さんには「EBSの上に塗材を塗る」ということでの施工性を見てもらい、何度もテストを繰り返しました。実機での試作品を1年間を通してテストをした結果、強度などの数値、クロス屋さん、左官屋さんの評価、更には何年間での経年変化とはいきませんが、1年間での変化などですべて良好な結果を得られたので、2011年の4月に、販売を開始することになりました。

   
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